2/22 分娩時事故の低減に向けての取り組み


農業共済新聞に記事が僕の書いた記事が掲載されたので紹介します。なかなか良い取り組みですので、全文も転載しますね。

***解決!分娩事故
 牛の体温測定と内診で的確に分娩日を予測する酪農家。牛舎から離れていても監視カメラで分娩の様子を随時確認して省力化する酪農家。分娩時に細心の注意を払い、分娩時の事故を減らして経営安定につなげている方を紹介します。
**K.O.さん「体温変化で分娩を予測」
【南房総市】南房総市W町のK.O.さん(61歳、搾乳牛29頭)は、約30年前から体温変化による分娩予測を実践して、お産に備えている。
 牛は一般に分娩前になると体温が下がる。夕方の検温で前日より0.5度以上下がり、体温が39度以下になった場合は、24時間に以内に7割、48時間以内に9割が分娩することが知られている。
 Oさんは乳房の張りを見て分娩が近いと感じたら、夜の搾乳前後に検温し、カレンダーに体温を記入。体温が下がっていたら、膣に手を入れて子宮頚管の開き具合や異常の有無を確かめている。逆子など異常のある場合は、獣医師に連絡するなど早めに対応している。
 体温が下がってから1日後に分娩することがほとんどなので、外出する仕事を控えてお産に備えるという。「始めたきっかけは、子牛の事故が多かったから。近くにいれば異常があってもすぐに対処できるから、お産の事故は少ないよ」とOさん。ちばNOSAI連南部家畜診療所の担当獣医師は「必要な物は体温計だけなので、お金をかけずに誰もがすぐに取り組める方法」と話している。
 押本さんは「思ったとおりに子牛が生まれていると気持ちがいいよね」と笑顔を見せる。(南部診・I)
**K.K.さん「分娩房に可動式監視カメラ」
【南房総市】南房総市T町のK.K.さん(46歳、搾乳牛38頭)は、昨年11月から分娩房に可動式の監視カメラを設置し、リアルタイムの映像を携帯電話から見られるようにした。携帯電話からの操作でズームや方向を変えることができ、夜も蛍光灯の灯りだけで問題なく映像を見られるという。
 Kさんは、ペット用の監視カメラに興味を持ち、サービスを行っていた携帯電話会社に相談し、それを応用することができた。専用カメラが約10万円、カメラを覆うアクリルケースが約8千円で、設置は自分で行った。携帯電話から映像を見るには通信料がかかるので、通信料の定額サービスを利用している。
 「以前は、分娩が始まったら夜中にも様子を見に行っていましたが、母屋や外出先からでも映像を通して分かるようになった。体を休めるようになるのはすごく大きい。システムを導入してから10頭が分娩しているが、その効果は大きかった」と成果を話すKさん。ちばNOSAI連南部家畜診療所の担当獣医師は「この監視カメラシステムは分娩房以外での応用もでき、仕事の省力化につながるアイデアとして注目度は大きい。」と評価する。(南部診・I)
**M.F.さん「牛舎にCCDカメラ」
【山武市】山武市の酪農家M.F.さん(49歳、搾乳頭数60頭)方では、約4~5年前からCCDカメラを牛舎に設置して、自宅の居間のテレビで乳牛のお産の様子を見ることができるようにしている。
 このCCDカメラは3千円ほどでインターネットにて購入したという。カメラのサイズは5×4×2cmほどの小さなサイズ。ビニールテープで分娩予定の近い牛の後方の配管に装着する。これにはレンズの脇に赤外線投光機がついていて、暗い時でもお産を見ることができる。(夜は牛舎の電気をつけておくという)。
 CCDカメラには約20mのコードをつけて直接母屋のテレビの映像入力につなぐ。「白黒の映像だがよく見える」とFさん。マイクもついていて音声も聞くことができる。
 お産の近い牛の後方にカメラを設置しておけば居間から牛を見ることができ、異常があるときはすぐにかけつけることができる。F
さんは「寒い冬でもこたつでお産を確認することができて便利です」と話す。(東部診・N)

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