第四胃右方変位の聴診を録音


分娩から7か月も経った牛が食欲不振で診療依頼があった。罹患牛は非常に痩せた牛で、残念ながら第四胃右方変位であった。グル音が盛んであったため聴診を録音した。

手術はハノーバー法で行い、いつもは大網を腹壁へ固定するが、この牛は痩せすぎていて大網に脂肪が全くついていなかった。どうしようもないので、胃壁を腹壁へと固定した。翌日には食欲は復活した。

大網に脂肪が全くなくて固定方法に悩んだ牛は初めてであったような気がする。なお、BCSは2.5であった。

不整脈を録音


分娩後に体が冷たく、全く食べないという診療依頼の牛がいた。乳熱なのだが、心音が著しく不整であった。不整脈の牛はたまにいるが、録音したことがなかった。不整脈の牛にCa剤を投与するのはリスクが多少あるが、打たなければ治るまい。

ドキドキしながらも、心音を聴取しながらゆっくりとCa剤を投与した。

子牛(14日齢)の収縮期心雑音


先日、下痢で診療していた14日齢の子牛が心雑音を有していた。


左肋より


右肋より

おそらく、心房中隔欠損または心室中隔欠損なのであろうが、診断はなかなか難しい。下痢も治って元気なので、様子を見ることにした。

重篤な肺炎の子牛が死亡した


生後10日ほどのホルスタイン種雌牛が肺炎が原因で死亡した。初診時から肺の聴診は酷く、努力性呼吸であった。抗生物質と消炎剤は効果が無かった。

ピーピーいう肺の聴診音が明瞭であったので、たまたま録音していた。いずれ肺の聴診をより分類できるよう、再検討の材料にしてみたいな。

心奇形の子牛を発見


生後3日の子牛が急にぐったりとして元気がないと診療依頼があった。見に行くと、起立不能の状態であった。

発熱しており、収縮期心雑音を左右に認めた。おそらく、心臓の先天性奇形である心室中隔欠損または心房中隔欠損であろう。超音波画像診断装置でぜひ見てみたいな。

全収縮期雑音(子牛B、左肋より)

全収縮期雑音(子牛B、右肋より)