NLM Director’s Comments Podcasts / 肺雑音を録音


Podcastをラジオの代わりに延々と車内で流しながら診療をしているが、新しく聞き始めたNLM Director’s Comments Podcastsがなかなか良さそうだ。

内容は、医学にまつわる研究の紹介や最新トピックスが主である。6~8分の長さが丁度よく、聞き取りやすいスピードもありがたい。Transcriptもついている。NEJM Podcastほど数字が入り乱れないので、なんとかついていけそうな気がする。

英語初級者が科学系英語の学習に使えるPodcastとして、平易さ、時間、Trasnscriptの有無、更新頻度は非常に重要であると思う。以下に理由を述べる。

1. 平易さ
ゆっくり、はっきり話してもらえる方が当たり前であるが聞き取りがしやすいし、口語ではなく正しい英文法の文章の方が勉強になる。聞き取れない英語を延々と聞き続けても英語力はつかないし、勉強する以前に心が折れてしまう。身の丈に合った内容が重要だと思う。

2. 時間
科学系のPodcastは1~60分ほどまで各種ある。いろいろと闇雲に聞いてみたが、分からない内容を延々と聞いていても、naitiveの英語に耳は慣れるが会話についていけず飽きてしまう。1~10分までなら集中力が続く。

3. Transcript
聞き取りが正確にできているかどうか、確かめることが英語力の向上につながる。また、分からない英単語は片っ端から潰していくしかない。それには、どうしてもTranscriptが必要だ。

4. 更新頻度
繰り返し聞いて、内容を覚えてシャドーイングしてしまう方が車内の英語勉強法に向いていると思う。そのためには、ある程度繰り返し聞く方が効果的だ。かといって、同じものを2週間も聞くと飽きてしまう。毎日~週一回の更新頻度のものが好きだ。

僕は、Sience PodcastNature PodcastのTranscript無しでの聞き取りを一つの目標にしているが、まだまだ道は険しい。そこに至るまでには、以下のPodcastの聞き取りを攻略していくと良いかと感じている。上記の4点を満たしているものの中から、平易さ順に並べてみた。

1. Voice of America : Science in the New
約15分、transcript有り、週1回更新

2. Science Update Podcast– Daily Edition
約1分、transcript有り、ほぼ毎日更新

3. Scientific American Podcast: 60-Second Science
約1分、transcript有り、平日更新

4. NLM Director’s Comments Podcasts
約6~8分、transcript有り、週1回更新

5. Sience Podcast
約30~40分、transcript有り、週1回更新

6. Nature Podcast
約20~30分、transcript有り(最新のものは無い)、週1~2回更新


それはそうと、今日は肺炎の聴診を録音した。肺の聴診の評価は、人により表現が異なっており、もっと議論されるべきであると思う。例えば、以下の肺雑音はどのようにカルテに記載していますか?

初産牛の収縮期心雑音


分娩後2か月の初産牛が食欲不振であると診療依頼があった。診療に行った同僚より、心雑音があると連絡を受けて見に行った。

その牛の胸垂は浮腫し、頸静脈は怒張し、眼球はやや突出している。明らかに様子がおかしい。

肝心の心音を聞くと、左肋からは正常のように聞こえる。

しかし、右肋からは明らかな収縮期雑音を聴取した。

S1とS2の間の大きな雑音だ。三尖弁や僧房弁の異常による逆流?心房中隔欠損?心室中隔欠損?

右肋からしか聴取できないというのが非常に興味深い。心臓の解剖学的な位置と聴診部位はもう一度しっかりと勉強しなおしたいな。なお、心音の成り立ちは、以下の動画を参照のこと。

衝撃的なKhan Academy


科学英語を勉強している過程で知ったKhan Academyが実に衝撃的である。英語で様々な分野を勉強できる。それも、まるで黒板を使った授業のように分かりやすく展開されている。このサイトを使い、英語の勉強を兼ねて身体について復習しているが、非常に実になっている。

例えば、心音の発生を紹介しているMovieはこちら。

Lub dub: Ever wonder why the heart sounds the way that it does? Opening and closing of heart valves makes the heart rhythm come alive with its lub dub beats… Rishi is a pediatric infectious disease physician and works at Khan Academy.

これの後に実際の心音を聞くと、S1とS2の意味をより理解できる。S1とS2間で心室から血液を駆出し、S2とS1間で心房から心室に血液を充填している様子をリアルに感じることができる。

Khan Academyを聞く事を、英語学習の一つの目標にするのも良いと思う。

繭 / 第四胃左方変位


先日、診療所の仲間と旅行で長野へ行った。

長野県黒姫野尻湖湖畔をスノーシューで散策していると、緑色の何かを発見した。

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Facebookを通じて教えてもらったところ、ウスタビガの繭だそうだ。固くて、繭には思えなかったなぁ。ヤママユガと共に緑色の繭で、緑色の絹ができることから天蚕として重宝されていたらしい。

続いて、新潟県妙高杉野沢へ寄りスキーに興じていたところ、網目の何かを発見した。

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こちらもFacebookを通じて教えてもらったところ、クスサンの繭だそうだ。全く材質は異なるが、これもヤママユガ科の蛾の繭ということになる。

一つお利口になったな!


それはそうと、最近は手術適応症例に当たる機会が多い。本日も分娩間近の未経産牛が第四胃左方変位になっているのを発見した。分娩誘起してから、対処することにした。

第四胃左方変位 / 金属音(成牛、左肋より打診をする)

肉柱発見 / 盲腸拡張の聴診を録音


子宮頸管の異常は直腸検査で分かることもあるが、膣の異常は気付かないことが多い。

僕は授精時に膣鏡検査を実施している。それで異常に気付くことがあるが、大抵は膣のみの異常である肉柱が多い。昨日も、それで発見したが、肉柱の長さが12cmもあった。直腸検査分かりそうな気もするが、気付かない。腕が悪いのだろうか?この牛はすでに3回もお産しているが、難産歴はない。実に邪魔そうに見えるのだが?
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今日は、盲腸拡張の牛を発見したので聴診を録音した。明日に手術予定。

盲腸拡張/金属音(成牛、右膁部背側に聴診器を当て打診)

盲腸拡張/拍水音(成牛、右膁部腹側に聴診器を当て腹部をゆする)